『イ・イ・キ・モ・チ』(地球星人作)

「よかったやろぉ。」
VHSテープをデッキから抜きつつモミジが言った。
「何かねぇ・・・。」
マドカはちょっとげんなりした表情を隠せない。 無理もない。
ジャン・クロード・ヴァンダム3連発は、マドカにとってかなり厳しい。
「やっぱりさぁ、もうちょっと暑苦しくないやつって無いの?」
モミジは少しムッとした表情をして、VHSテープを棚になおす。
すぐに気を取り直して下の段にある1本を取り出しマドカにかざす。
「これやったらええやろ『鉄道員』や。」
「だから、高倉健も、もういいって・・・。」
「健さんの演技、ええでぇ。」
「とりあえずビデオはもういいわ、原稿描くから。」
旅行好きの両親が4泊5日で九州まで行っているある日、姉がマドカに提案した。
一晩、友達の所に泊めて貰う事。
姉は謝礼として1万円を払う事。
そして、両親には絶対秘密の事。
ジト目で姉を覗き込んだマドカは、結局その条件を呑んだ。
気軽に泊まれる所と言えば、やはり一人暮らしのモミジの所に限る。
その結果が合計上映時間6時間に渡る、ジャン・クロード・ヴァンダム
になったのは予想外だったが、まあ仕方あるまい。

「とりあえず、晩ご飯でも作ろか。」
「ありがと。」

「何これ。」
「晩ご飯や、見てわからへんか?」
「朝ご飯に見えるんだけど。」
「大半が朝の残りやさかいなぁ。」
「それって朝御飯じゃない。」
「まあええやんか、そのかわり晩ご飯にはこれが付くんや。」
そう言ってモミジが取り出したものは、
「お酒?」
「酒や。」
1000ml紙パックを持ったモミジがニヤっと笑う。
「お酒・・・」
甘美な誘い、少しのためらい、そして大いなる興味。
「別に変な薬すすめとる訳やないねんから、ほれ。」
モミジが半ば強引に差し出した小さなコップを手に取る。
(ちょっとくらいなら・・・いいか。)
小さなコップにトポトポと注がれる独特の香りの液体。
8分目まで注がれた液体に、恐る恐る口を付ける。
「おいしぃ。」
意外なほど抵抗感は無かった。
「やろ。 1級やけどええ味やろ。」
「いや、味は良くわからないんだけど。」
てへへ、と頭を掻きながらマドカが笑う。

初心者にとって冷酒は命取りである。
口当たりは良い上に、アルコール分は最大である。

丁度30分で、すっかり出来上がった2人の笑い声が下宿に響く。
「あ〜ははははは、(ゴクッゴクッ)うまぁ〜。」
「マドカちゃん、ええ飲みっぷりやぁ! アハハハハァァ!」
「あれ? もう無いろぉ。」
紙パックを激しく振った後、片目で覗き込む。
「え? 2本目ももう無いんかいな。」
「モミジ、おかわりぃぃぃ!」
マドカが大声でへべれける。
「ごめんなぁマドカちゃん、今日はその2本しかあらへんわ。」
「うぅぅぅ〜。」
「よっしゃ! かわりにおもろいモン見せたろ。」
ふらふらの足取りでモミジが立ち上がり、テープ棚の奥をゴソゴソと探しはじめる。
「あったあった。」
「Hなビデオでしょ。」
「当たりぃ、ははははは。 見たいやろ。」
「見る見る! アハハハハハ!」

画面に展開される光景を、マドカは食い入るように覗き込む。
高くお尻を突き出した外人女優の激しい悶え方と、後ろから激しく
突き立てるブロンドのジャン・クロード・ヴァンダム似の男優の肉体に
もう画面から目が離せない。
大画面、小ボリューム、部屋は灯火管制。
カメラアングルが切り替わると、性器の結合部分もはっきりと見える。
モザイクもかかっていない。
激しく出入りを繰り返す、大きな肉棒にめくれ上がる肉ヒダ。
悲鳴のような女優の嗚咽。
何度か見ているモミジも、激しい行為に目を奪われる。
2人とも口は半開きだが、目はしっかりと見開いており、酔いはすっかり
飛んでいってしまっているようだ。

「す・・・すごい。」
「・・・やろ。」
マドカの脳味噌をかき回す程の行為が画面に展開される。
同人誌で何度も描いているマンガとは格が違う。
「マドカちゃん、濡れてきたんとちゃうか?」
いきなり、からかうようにモミジが言う。
「バ、バカ。 そ、そんな訳ないじゃない。」
あわてるマドカを、面白そうにモミジが覗き込んでいる。
「ちょ、ちょっとお手洗い借りるわよ。」
トイレに向かうマドカの背中にモミジが声をかける。
「ごゆっくりぃ〜。」
「違うって!」
振り返って怒鳴るマドカに、モミジがさらにたたみかける。
「何が違うんやぁ〜?」
「もういいわ。」
バタン!

濡れていた。
パンティーまでジットリと濡れていた。
酒と、それ以外の理由で、自慢のオデコまで真っ赤にして赤面するマドカ。
ペーパーを指に巻き取り、自分の肉ヒダを丁寧に拭く。
「あ・・あぁぁ・・・。」
オナニーしたいなぁと思ったが、モミジの家のトイレでそれはまずい。
思い直して、そそくさと湿ったパンティーをはき直した。

「濡れとったんやろ。」
座ったマドカへの第一声がそれだった。
「もう、違うって!!」
「ははははは、もうすぐイキよるからな、よう見とりや。」
モミジがリモコンでビデオの一時停止を解く。
次の瞬間、動き出した画面で、女優のお尻から抜き出された大きな肉棒が
アップになり、しごき上げられ、そして白液が女優の背中に飛び散った。
「!!!」「!!!」
「す・・・すご・ぃ・・・」
マンガで描いても過剰と思われる程の量の液体が飛び散った。
「せやろ。 ごっつい量やでこれは。」
画面の饗宴はそれでもまだ続いていく。

「マドカちゃん、ほんまに濡れてなかったんか?」
「ばかぁ。 そんな訳無いじゃない。」
「ほんまかいな? つまらんなぁ、うちやてもうビチョビチョやで。」
マドカは驚いたようにモミジに振り向く。
モミジも横目でマドカを覗く。
暗いので良く表情は見えないが、画面の光で何とか見える。
「よっしゃ、調べたろ。」
「えっ?」
酒臭い匂いをさせながらモミジがマドカによってきた。
「ちょ、ちょっと、モミジ!」
いきなり、フリルのスカートをめくり上げて、モミジが手を入れてくる。
「モミジ!」
モミジの暖かい大きな胸が、マドカの胸に密着する。 押し倒された形で
マドカが下敷きになる。 モミジが唇を重ねてきた。
(モ・モミジ・・・、なら・・・いいか。)
「マドカちゃん、ビチョビチョやないか。 どこが濡れてへんねん。」
「モミジ・・・。」
「可哀想に。 よっしゃ、うちが気持ちようしたるわ。」
「えっ、ちょっと・・・」
モミジは立ち上がると着衣を次々と脱ぎはじめた。
程なく、全裸となる。
「ほら、マドカちゃんも脱いでまいな。」
「えっ・・・うん・・・。」
おずおずとフリルのワンピースを脱ぎはじめる。

「マドカちゃん綺麗やなぁ。」
「モミジだって。 胸も大きいし。」
「うちのは単に大きいだけや。 マドカちゃんのはええ形やなぁ。」
「そんな・・・。」
「肌も綺麗やし・・・。」
モミジがまどかの首筋に吸い付く。
畳の上で絡み合うマドカとモミジ。
「ここやろ。」
マドカの肉ヒダが、生まれて初めて他人の手に触る。
「・・・うん、そこ。」
中指がゆっくりとそのヒダをかき分け、体内に侵入していく。
「あっ・・・ああっ!」
チュプッ、チュプッ、湿った音を立てて指が出入りを繰り返す。
「モ、モミジ。」
マドカはモミジの首にしがみつくように抱きしめ、熱い吐息をその耳元に
吹き付けるように、つぶやく。
「モミジ、もうイキそう。 アッ!」
「早いがな。 まだあかんで、マドカちゃん。」
そう言いながらもモミジの手は、肉ヒダやお豆を刺激しつつ一層激しく
出入りを繰り返し、マドカを高みへ昇らせようとする。
「モミジィィ。」
「マドカちゃんかなり出来上がってたもんなぁ。 イキたいんか?」
「イキたい・・・。 あっ! は・・・早くぅぅ。」
じらすようにモミジは責め立てる。
ビデオだけでもかなりたかまっていたマドカの肉ヒダは、モミジの細い指を
グイグイと締め付けてくる。
「アア・アア・・ア・アアアアア!!!!!」
せつないマドカの声が急激にトーンを上げる!
モミジを抱きしめる手に思いっきり力が加わる!
肉ヒダの締め付けが一気に倍増する!
(イクな。 マドカちゃん。)
モミジが手の動きを止めた。
「えっ! えっ! モミジ、何してんの、早く! 早くぅ!」
絶頂に片手をかけていたマドカが、急速に滑落する。
「あかんあかん、マドカちゃん。 まだイクのは早いでぇ。」
「そ、そんなぁ! イヤ、イヤァ!」
あわててマドカが自分で触ろうとするのを、体を重ねて触らせないようにする。
「イヤ! イヤ! もうちょっと! もうちょっとなのぉ!」
「ま・だ・あ・か・ん。」
マドカは急速に冷めていくのを感じ取った。
緊急手段として、モミジの太股に自分の肉ヒダをぶつけようと腰を振るが
冷め具合は急速に進んでいった。
「あああぁぁぁ・・・。」
「あ〜ぁ、イキ損ねたなぁ、マドカちゃん。」
「モミジひどい!!!」
突き飛ばすようにマドカはモミジを押しのける。
不平満々のマドカがモミジを睨む。
「ハハハァ〜。 ごめんごめんマドカちゃん。」
「ひどいよ・・・。」
初めての体験に乱れた自分を思い起こすと、急に恥ずかしくなり、涙で目が
潤んできてしまう。
「ごめんな、マドカちゃん・・・。」
モミジがゆっくりとマドカの肩を抱き、唇を重ねる。
マドカもおずおずと、それに応える。
モミジがゆっくりとマドカを押し倒す。
マドカの胸は早鐘を打つように、希望の炎を燃え上がらせる。

前半終わり〜。

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