『 0083 』策謀 (地球星人作)

「うわっ!」
コクピット内部の計器類が激しく明滅し、中央のモニターが圧力に耐えきれず破裂した。
機体ダメージに対する警告音と、被レーザーロックの警告音が四周を制圧する。
左腕部をシールドごと喪失し、母艦に着艦しようとしていたゲルググの右脚部が根本から
爆発した。 爆発の余波で左脚部の動力部が破損、着艦コースに乗っていた機体は
大きくコースから逸れてしまった。 最終加速を始めていた母艦であるリリーマルレーンは
戦速維持の為に減速する事が出来ない。
「ちぃ! あと一歩の所で!」
自身のMSを無視する様に、2機の連邦軍MSがリリーマルレーンを追う。
「バカどもめ!」
コクピットハッチを解放し、目視照準だけで右手のビームライフルを2発射つ。
1発目は1機のコクピット部分を後方から貫き、2発目はもう1機の右腕を吹き飛ばした。
爆発時の飛散物を避ける為にハッチを閉める。 同時にスラスターの出力を上げ、もう一度
母艦への追随を試みる。

右腕を飛ばされた連邦MSのパイロットは小癪なゲルググに向き直り、頭部バルカン砲の
発射操作を行った。 目標のゲルググの頭部モノアイが小爆発に包まれる。
同時に後続の連邦MSがビームサーベルで斬りつけた。 寸での所でゲルググは致命傷を
避けるような機動をしたが、ビームサーベルはゲルググのビームライフルを両断した。
後方からの近接攻撃に対する回避運動をとった結果、バルカン砲の照準線に無防備な
バックパックが入った。

機体の発する警告音と、回復したビームライフルの照準マーカーだけを頼りに前後からの
挟撃を切り抜けようと単機奮戦したシーマであったが、バックパックを破壊された瞬間
全ての戦闘用システムがダウンした。 生命維持装置の為の予備電源の明滅だけが
周囲を支配した。 瞬間の恐怖。 咄嗟にシートベルトを外し、もう一度コクピットハッチを
開き、シートを蹴ってハッチをくぐり抜けた。
次の瞬間、ゲルググが爆発した。
衝撃に吹き飛ばされたシーマの視界の片隅に、リリーマルレーンのエンジンの発する
光芒が小さく映った。
「ドジ踏むんじゃないよ。」
連邦のMSの胸部装甲に叩き付けられ、気を失ったのはその半瞬後であった。

こうして、シーマの意志に関わりなく、結果としてリリーマルレーンが逃げ失せるだけの
時間は稼がれたのである。

================================================

「A級戦犯に指定。 死刑に処す。」
一方的な尋問を根拠とする、極簡単な連邦軍事法廷の導き出した判決は、当事者である
被告シーマ・ガラハウ海兵中佐に大した衝撃を与える事はなかった。
勝利国の戦犯法廷が敗戦国の敗残士官に、ことさら寛大な処置を施すとは考えにくい。
被弾大破したMSから脱出した時、既に運命は決まっていた。
裁判長を務める連邦軍将官に、皮肉と凄烈な殺意を込めた微笑を投げかけ、連行しようと
する2人のMPよりも傲然と胸を張りながら、シーマは被告席を後にした。
敗戦国の戦犯を処刑する事は、戦勝国の世論操作と国意高揚、復興加速に極めて効果がある。
特に今次大戦のように、奇襲をかけられ大損害を被りながらも、どうにか勝利したと言う
場合に於いてはなおさらである。

================================================

サイド3の辺境、資源確保のために戦争末期に運搬されてきた小惑星が有る。
最大直径500m程の小さな隕石ではあるが、連邦のサイド3攻略作戦が発動していれば、
捨て石として拠点防御を担当する軍事要塞の1つとされる予定であった。
しかし、現在は戦犯収容の為の簡易施設とされている。
元の主達を収容する為に2隻の連邦軍巡洋艦がこの施設に配備されている。
表面から突き出た無数のアームには、その連邦艦艇に対し火を噴くべきだった火砲が設置
されていたが現在は取り外され、1つの火砲施設が1つの独房とされていた。
この独房は主にA級戦犯の収容施設になっている。 いわば死刑囚用の独房である。
パーテーションで区切られた、無重力下でも使用可能なトイレとシャワーが取り付け
られており、この部屋から一切出る事無く、最低限の生活が出来るようにされていた。

A0083、それがここでのシーマの呼び名であった。
この艶然とした元・海兵中佐に対し、監視の連邦兵は常に警戒の意志を露わにし、シーマは
独力での脱出は不可能に近いと判断していた。 しかし残されている時間はそう多くはない。
実戦で培ったカンがそう告げていた。
ここに来て以来2週間。 シーマはただ囚われていただけではない。
窓から見える範囲は狭いが、常に同じ時間にMSが警戒飛行を行っている事を観察していた。
それどころか機体番号からそのローテーションまでをも看破している。
独房の見張りは4人。 明らかに上官と思われる下士官と、その部下の兵が3人。
12時間ローテーションで2人づつ交代して配置に付いている。
独房の出口は1カ所。 そこは10m程の長さの通路に繋がっており、その通路の入り口に
気密ハッチが設置されている。
砲台自体の気密ドアは取り外され、代わりに鉄格子製の扉を取り付け、南京錠でロックしあった。
下手な電子システムより信頼性は高いが、シーマには連邦退廃の兆候のように見えていた。

2つの変化は同じ日に訪れた。
「ほう、初顔だねぇ、坊や。」
夕食を運んできた連邦兵は、まだ10代ではなかろうかと思われる臆病そうな青年。
鉄格子の下に備え付けられた小さな扉から、パックに入った宇宙食を差し入れてきた。
「失礼します。」
「坊や」と呼ばれた連邦兵は短い通路を泳ぐ様に去っていった。
「ふん、こんな所でも人員交代ができるとは・・・。」
自分が戦ってきた戦場では、第一線ですら人員交代はもとより、補充すらなかった。
「羨ましい限りだねぇ。」
誰に言う訳でも無く、ついグチが出てしまう。
窓の外を見ながら宇宙食のパックの封を切ろうとした時、何かが小さく光った。
「・・・暗礁宙域方向? 連邦軍か?」
パックを手にしたまま、じっと光った方向に目を向ける。
1分ほどしてから、またキラッと光った。
シーマは備え付けのシーツを使い、光を遮るように窓を塞いでみた。
しばらくすると、断続的に2回、モールス信号のように小さな光が瞬いた。
窓を3回シーツで遮る。
次の光は5回瞬いた。
「間違いない。 上出来だ。」
シーマの唇が凄烈な微笑みをたたえる。
どちらの軍隊でも民間でも使っていないモールスコード。 「素数」
海兵だけが味方の位置確認する為だけに使う簡単な秘匿信号である。
シーマは仕掛けるタイミングが来た事を確信した。

================================================

「坊や」はカール上等兵と言った。
班長のユン曹長にいつも怒鳴られており、イヤでもその声は耳に届いていた。
軍隊的に言えばカールの士気は低いのだが、終戦から既に3ヶ月経っている現在では、
純粋に戦意が低いと言うだけでは無く、里心が首をもたげてきているのだとシーマは見ていた。

その日、夕食を運んできたカール上等兵は、思わず宇宙食のパックをばらまいてしまった。
監視の対象としているA級戦犯が、独房の中で自慰に耽っていた。
大きなバストやヒップを隠す物は何一つ身に付けず、フワフワと宙に浮きながら、大きく
脚を広げ、陰毛で覆われた女陰をこちらに見せつけながら、「はぁ、はぁ、はぁ、」と息使いも荒く、
自らの敏感な部分を右手で次々に責め立てる。 見るからに軟らかそうな乳房は、左手の
握力で変形するほどに揉みしごかれ、大きく乳首を立ち上がらせていた。
女陰からこぼれ出る液体は次々と空間に丸い水滴を作りあげ、激しく出入りする指先にも
絡みついた。 硬直して見入っていたカールは、自分の股間が硬化していくのを感じた。
シーマの虚ろな視線が、カールの視線と合った。
「うあぁっ!」
見られている事を意識した瞬間、シーマは絶頂に達した。
髪を振り乱し、全身を細かく震わせて、一気にのけ反ると同時に、女陰から吹き出た液体が
カールの顔にビシャビシャとふりかかった。
「はぁぁぁぁぁ・・・ぁぁ・・。」
濡れそぼった指がゆっくりと女陰を離れる。 口元にあてがわれた指先を赤い舌が次々と
舐め清めていく。 最後のウィンクは、いわばトドメであった。

ユン曹長は軟弱者のカール上等兵が気に入らなかった。
前任者が除隊した為に回されてきた新兵だが、こいつが自分と同じ連邦軍に在籍している事
自体が腹立たしい事だった。 士気が低く、「早く帰りたい」が口癖だった。
そんなカールが一人で夜間の当直をさせて下さいと言って来た時、ユンは少々驚いた。
点数を稼ごうとしているのかとも勘ぐったが、こいつと顔を合わせなくて済むならそれに
越した事はない。 しかもキツい役回りを引き受けてくれるのだから、ユンは内心で喜んだ。
本来なら軍紀違反なのだが、これも役得だと勝手な納得をして自分を誤魔化していた。

1週間が経過したが、シーマの策動とカールの異変に気が付く者は誰もいなかった。

「来たかい、坊や。」
シーマの妖艶な微笑みが、連邦軍では誰からも相手にされないカールにとって、天使の微笑み
のように見えた。
「シーマさん・・・。」
シーマはゆっくりと鉄格子に近付きながら胸元のジッパーを降ろす。
「今日は何をごちそうしてくれるんだい?」
「えっと・・・、食事は・・・。」
「食事? 宇宙食なんてマズくて、飽きてしまうさねぇ。 もっと美味しいモノがあるだろ?」
シーマはカールの股間を軽く撫でる。 既に硬くなりつつある感触。 カールの視線が豊満な
バストに釘付けとなっている事は火を見るより明らかだった。
囚人の手の届く範囲に身を置く事は、戦時中なら自殺行為に等しい。
しかし終戦以来、カールには警戒心も緊張感も欠けていた。
「消灯したらまた来ます。」
カールはそうささやいて、待機ブースへ戻って行った。

消灯時間きっかりに、独房の光が常夜灯だけを残して落ちた。
「任せたぞ。」
カールの返事も待たず、ユン曹長は当然のように居住区に向かって帰った。
消灯して30分後に警備兵が1回目の巡回を行い、その後は90分ずつの巡回を繰り返す。
1回目の巡回が終わった後、カールは待機ブースを出てシーマの独房に向かった。
常夜灯と薄い月の光に照らし出されたシーマは、既に一糸まとわぬ姿であった。
「来てくれたかい坊や。 嬉しいねぇ。」
「シーマさん・・・。」
「さて、どうして欲しい?」
シーマは艶然と微笑む。 サキュバスに魅入られた犠牲者のように、カールは自らの男根を
引っぱり出した。 みるみる大きくなっていくそれを見つめ、シーマは満足げに舌なめずりした。
「ふふふ、毎日毎日、よくそれほど溜め込むもんだねぇ。」
「・・・ごめんなさい。」
シーマは鉄格子越しに軽く手を添え、ゆっくりと男根しごき始める。
「ふ、うぅぅぅぅ。」
カールはいつものように鉄格子をつかんで自分の体を固定する。
「ふふふふふふ・・・。」
全裸のシーマが微笑む。
綺麗な五指と温かい手の掌の中で、みるみる硬度は増し、10を数える間もなく最高潮に達した。
「今日も大きくなったねぇ。 恥ずかしくないのかい、坊や?」
親指が男根の先端をこするように往復する。
「うぁぁ・・・。」
「ふふふふ。」
男の悶える姿を見るのは嫌いではなかった。 しかも自分の指使いの1つ1つに反応するとあって
は、これ以上に愉快なことなど他にあろうハズもなかった。
「もう濡れてきているねぇ。 そんなに気持ちいいのかい?」
男根の先端から出始めた粘液が、激しく動く親指との間に、白い糸を引き始める。
シーマの瞳は獲物を見つけた猛禽のように鋭く、口元の微笑みは凄烈さを増す。
「あ、き、気持ち、いいぃ。」
男根に絡みついたしなやかな指が徐々に圧力を増していき、手の掌で握りしめた肉竿を再び
前後に擦り始め、徐々に勢いを強めていく。
その間も亀頭部を捉えた親指は、幾度もその敏感な部分を激しくこすり上げる。
シーマの掌中で熱を帯びた肉竿がビクビクと脈打ち、カールの全身も激しく硬直と弛緩を繰り
返し、感じている快感をシーマに伝える。
右腕が激しく前後するたびに、大きな乳房がブンルブンルと大きく震え、心なしか乳輪も
ふっくらと膨らみつつあった。 視線が合うと、シーマは真っ赤な舌先で唇を舐め、扇情的な
挑発をカールの視覚に加えていった。
「そんなに気持ちいいのかい、坊や?」
カールにはもはや返答の余裕すらなく、シーマの与える快感に身を預けていた。
「ふふふふ。 こんなに腫れ上がらせて、これから何をしようってんだい?」
サテンのような手触りと、熱く膨張し脈打つ様が、シーマは気に入っていた。
「あ、あ、あ、あ・・・。」
しごきはじめて2分と経たない内に、カールの腰が軽く痙攣を始めた。
ここ1週間でカールのクセは見抜いている。 どうすれば喜ぶのかも看破してある。
シーマはカールの男根に刺激を加えるのを止め、いきなり暴力的に鉄格子まで引っ張りつけた。
「うあぁ!」
カールが小さく苦悶の悲鳴を上げる。
「いつあたしが出して良いと言ったかねぇ?」
男根の先が泡を吹くのではないかと思うほど、思い切り握りつける。
「あぁ、ぁ、ご、ごめんなさい。」
「いつもいつも、あんたが撒き散らすモノを綺麗に掃除する身になってごらんよ。」
「ごめんなさい。」
「ふふふ、今日からは特別サービスだよ、坊や。」
シーマは鉄格子をつかみ、軽く床を蹴って、カールとの正対位置を180度入れ替えた。
ベッドの上ならシックスナインの体位だが、今は鉄格子越しの垂直位置での体位だ。
陰毛に覆われた女陰の放つ香りと、湿り気と言うには多すぎる濡れ具合を目の前に見るだけ
でも、カールは十分に射精してしまいそうな感覚に襲われた。
「毎日、手コキばかりじゃ、坊やももの足りないだろうからねぇ?」
そう言うとシーマは目前の男根を頬張った。
「あう、あう、あう!」
カールの男根はガチガチに勃起し、シーマは女陰で荒い息使いを感じ取っていた。
絡みつくような舌先が、男根の裏側を這い、先端を通って、亀頭の上を左右に走った。
強烈に吸い付いた次の瞬間には、先端だけに舌を絡みつけ、肉竿を指先でしごく。
髪を振り乱し激しく頭を前後させるシーマの口元から、唾液が飛沫となり飛び散る。
快感に包まれ、もうろうとしたカールが、無意識に目前の女陰に触れようと手を伸ばした。
「触るんじゃないよ。」
低い声がカールの耳を打った。
「触っていいなんて、言った覚えは無いからね。」
「は、はい。」
本当に残念そうな声からは、反抗する気配は全く感じられない。
微笑みを浮かべながら、シーマは再び爆発寸前の男根を頬張り、激しく刺激を加える。
生暖かいざらついた舌先があらゆる所に絡みつき、吸い込まれそうな程の圧力が尿道の内部に
までその刺激を伝え、指先が優しく袋の中のナッツを転がす。
シーマの鼻息がその袋に断続的に当たる。
カールの目の前の茂みの奥にある軟らかそうな亀裂が、それ自体が呼吸をしているのではないか
と思う程に、収斂と弛緩を繰り返しながら、シーマの女の匂いを撒き散らす。
カールが視線を落とすと、たわわに波打つ2つの大きな乳房、勃起した乳首と膨らんだ乳輪。
その間からはシーマの白い喉と赤い口元、そして激しくしごかれている己の勃起。
それらがまるで遠い世界の出来事のように見えている。 1週間前には考えも出来なかった事
が、今は現実となって見えている。
再びシーマの息吐くような股間に目をやった瞬間、熱いモノが下半身にこみ上げてきた。
再び腰が細かく震え出す。 シーマは最後のスパートをかける。
「うぁぁ!」
無意識に出た声にシーマが反応し、鉄格子越しにカールの腰を抱きしめる。
シーマの口の中で勃起が痙攣し、膨らんだ尿道を通り抜けたゲル状の濁液が激しい勢いで
撃ち込まれた。 わずか1日で溜まったとは思えない量の濁液を、シーマは次々と喉奥へと
導いていく。 痙攣が終わりかけると、勃起を強く吸い込み、尿道に残った残精を綺麗に吸い
つくそうとする。 その残精に引きずられて、また次の残精が引きずり出されてくる。
一瞬、一瞬、の快感。 吸い出され、吐き出す快感。 そして、絶頂感の持続。
ほんの数秒、しかし無限に感じる数秒。
シーマが、尿道はもとよりナッツの中まで吸い出す程の吸引をかけても、やがて何も出なくなった。
勃起自体はそれほど軟らかくなった訳ではないが、中身は綺麗にシーマの口中に吐き出された。
シーマが腰を抱きしめていた腕をほどくと、カールは放心状態でフワリと宙に浮いた。
赤い唇から男根が抜け出る様は、女陰から抜け出るそれと似ていた。
飲み切れなかった濁液を舌にまとわりつかせたまま、シーマは再び180度体を回転させて
艶然と微笑んだ。
「どうだった、坊や?」
カールは背中から壁に当たり、反動で再びゆっくりと鉄格子に近付いてきた。
「ふふふ。 ・・・思った通り濃いねぇ、坊やのエキスは。」
いまだに腑抜け状態のカールの勃起を軽くつまみ、耳元でささやく。
「はやくしまっちまいな。」
カールは言われるがままに、ゆっくりと男根をジッパーの奥へとしまい込んだ。
「ふふふ、明日までにまた「溜めて」おいておくれよ。」
魅入られるようなシーマの瞳を見つめながら、カールはコクコクと何度も頷いた。

カールが待機ブースに戻ると、シーマはたった1つの小窓に身を寄せ、いつも通りにシーツを
使い、モールスを送り始めた。 常夜灯だけになった後の方が見落とされる率は大きくなる
ものの、連邦軍に発見される率も低くなる。 それにリリーマルレーンの海兵共ならばほとん
ど定刻発信とも言える信号ならば見落とす訳がないとシーマは確信していた。
実際にここ1週間、交信は毎日行えた。
カールも一度待機ブースに戻ると、少なくともしばらくは戻ってこない。
今回の交信も、誰にも気付かれず10分足らずで完了した。
これで一日の「仕事」が全て終わった。

シーマは熱く火照った女陰を確かめる。 茂みの奥で息吐く亀裂は、物欲しそうにヒクヒクと
細かくうごめいている。 坊やのモノでもいい。 ハメ込みたい。 触られ、なぶられ、かき
回されたい。 そんな考えが頭を支配する。 しかし今は我慢の時だ。 女の性とA級戦犯と
言う事実の前で、シーマは葛藤しつつも「性」ではなく「生」への道を選んでいた。
そのためには今夜も自身でこの火照りを鎮めるしかない。
薄暗い独房の中を、シーマのくぐもった吐息が支配し始めた。
豊満な肉体の持つ強烈な欲求。 抑えきれない性への衝動。 女陰から溢れる液体。
濡れそぼった亀裂は3本の指をくわえ込んでも尚、まだもの足りなかった。
シーマのメスの獣性が我慢できない欲求となって、股間の右手を突き動かす。
リリーマルレーンに居た時ならば、見かけはともかく、男は選び放題であった。
また戦時配給物資には男女共に、欲求を満たす為の道具も揃っていた。
シーマ自身も気に入ったバイブレーターを2本所持しており、自室で一晩中女陰に突っ込み
動かしていた事も1度や2度ではない。 何度絶頂を迎えても満足できないと言う酷い日も
あった。 特にMS戦を行った日には気が昂ぶり、バイブレーターもフル稼動の状態になった。
しかし今は自分の指先だけが、欲求を満たすための道具であった。
シーマの女陰を満足させる太さを持つ物は独房の何処にもない。
そして、いくら指で慰めようとも、女陰が満足を覚えることは、ここしばらく無くなっていた。
男絶ちが続いている上、久々に手に取ったモノも、今しばらくは我慢して扱い続けなくては
ならない。 そんなもどかしさが、余計にシーマの欲求を刺激するのだ。
久々に味わった若い男の熱い肉竿。 サテンのようなさらさらとしたあの感触を頬張った時の
満足感。 そして男の濁液を絞り出す征服感。 さらに、口中を駆けめぐる、火傷しそうに熱い
ゲル状の濁液の、青草の匂いと粘り気、生すっぱい独特の味。
シーマの女としての欲望が、様々な記憶を呼び起こし、その記憶が更に欲望を高めていった。
既に水玉が宙に浮き始めるほどシーマの女陰は体液を吐き出している。
にも関わらず、しなやかな指先は更に女陰の奥から体液を掻き出す様に、奥へ奥へと進む。
「いい、いいよ。 いいよ。 ああっ!」
3本の指でかき回される亀裂は、今や亀裂とは呼べない程に広がり、赤い肉ヒダを外からも
見ることが出来るほどになっていた。
肉ヒダは脈打ち、収縮し、次々と快感を伴った液体を体外に排出していく。
さながら活火山の火口のように、熱く、紅く、燃え上がっていた。
時折、本能的に女陰が快感を得るようにグッと指を締め付ける。
「もっと、もっとだよ。 もっと。 もっ、もっ!」
激しく出入りする指に、力を込めて女陰の括約筋に対抗するシーマ。
もどかしい。 焦り。 絶頂への欲求。 メスの本能。
乳房を激しく揉み上げる左手が、最も敏感な小豆に伸びていく。
「ここが、ここが! こいつおぉ・・・。」
虚ろな目がギュッと閉じられ、下唇を噛む力が強まる。
快感を得る為だけに存在する小豆は、既に小指の先程に勃起し、爆発しそうなほど充血して
いた。 触れるだけでも痛いほどに快感を伝えてくるそれをシーマは、つまみ、ひねり上げ、
次の瞬間には押しつぶす。 脳の血管が切れてしまいそうな程の快感にも関わらず、まだ
絶頂に達しない。
「はやくぁ。 はやく! はやくぅ!」
右手では亀裂を、左手では小豆を、シーマは両手で女陰を責め立てかき回す。
次々と宙に吐き出される、数え切れない液体の雫珠。
「イグ!」
欲望とあらがう事、10数分。 待ちに待った、絶頂の波が遂にシーマの全身を包み込んだ。
「うぅっ! っっっっっ、あああ! ・・・ぁぁぁ」
待機ブースへ、シーマの軽い絶頂の声が聞こえたのは、カールが落ち着いてからしばらくして
からのことだった。

================================================

次の日の昼前、シーマの独房に連邦軍の士官がやってきた。
襟章の階級は、その神経質そうな士官が少佐である事を示していた。
「A0083、シーマ・ガラハウだな。」
小窓から宇宙を見ていたシーマは、質問に直接は答えず肩越しの凄烈な視線をもってその返答
とした。 鉄格子の外の少佐は、明らかに気圧されていた。
実戦を切り抜けてきた武人と、官僚軍人候補とでは、あきらかに格が違った。
お互いがMSに乗ったならば、彼が機体をコントロール下に置く前に、シーマの一撃が彼の
コクピットを貫いているだろう。
「A0083、シーマ・ガラハウだなっ!!」
虚勢を張って声を荒げた少佐の前に、ゆっくりとシーマが宙を浮いてきた。
少佐はそれに伴い後退し、鉄格子の目前にあった彼の体は、結局反対の壁際まで追いやられた。
「い、1週間後に貴様の処刑を執行する。」
うわずった少佐の声を聞き、周囲にいる2人の警備兵が思わず失笑するのをシーマは見た。
その失笑は余裕を無くした少佐の耳には届かなかった。
「何か最後に欲しい物はあるか!」
型通りの質問事項にまで虚勢を張る少佐は、まるで喜劇の中の独裁者のようであった。
「そうさねぇ、MSの1機も貰えたら嬉しいねぇ。 少佐。」
「ば、バカ言うな! 小官を愚弄する気か!」
「ふん。 本気にするバカもいるもんだねぇ。」
「き、貴様ぁ!」
何ら臆する風体も無くシーマは少佐を睨み付け、セリフの続きをさえぎった。
「そうさねぇ、あと1週間かい? それじゃぁ、3日に1度しか出ないこのシャワーを、毎日出る
 ようにしてもらいたいねぇ。」
宇宙で多量の浄水を確保する事は、弾薬を確保するよりも難しい。 基本的には汚水も浄水処理し
再度利用するのであるが、1日に処理できる量は限られる上に、処理を重ねればそれだけ水質の
低下は免れない。 結果として生命維持に必要な飲料水が最優先に供給され、それ以外について
は、給水制限、あるいは節水規制がかけられる事になる。 ましてA級戦犯の独房のシャワー水が、
潤沢に供給されるなど、本来ならばあり得ない話しである。
少佐は口ごもってから「よ、よし!」と最後まで虚勢を張って視界から消えた。
それを見送ったシーマの瞳に鋭い煌めきが灯り、軽蔑の混じった口調でつぶやく。
「わざわざ教えてくれるなんて、おめでたい士官もいるもんさね。」
昼食も終わった頃、そのシャワーを作動させてみると律儀に湯が出た。
それは「おめでたい士官」が極めて官僚的である事を示していた。
とりもなおさず、「規則」や「予定」を金科玉条と仰いでいると見て良い。
「1週間後ってのは、でまかせじゃぁないねぇ。」
シーマの瞳に、1週間後の死刑を宣告されたとは思えない、冷静で冷酷な光が宿った。

================================================

策謀編終わりです。
こんなところで処刑されてしまっては、シーマ・ガラハウの名が泣きますよ。
でもシーマ様には何かお考えがあるようですね。 さすがはシーマ様。
て言うか、それって前提なんですけどね・・・。

感想など掲示板に書き込んで頂ければありがたく思います。


 オリジナル小説メニューへ